記憶の中にある、ファンタジー・ゾーンとの出会いは消す事が出来ない。小学生高学年の暑い夏休みの思い出と共に今も鮮烈に焼き付いています。このゲームのお陰でオレは人生を完全に踏み外したと行っても過言ではないですよ。

実際、近所にあったゲーセンは非常に変わったスタイルで、こんなオッサンになっても、あれほど変わったゲーセンは未だにお目に掛かった事がありません。どこからどうみても農家の納屋の中に、農具と共に数台のゲームが所狭しと並んでいる異様な光景、しかも営業時間もハッキリしない。8時過ぎくらいにインターホンで「オバちゃん開けてー」と言うと、直ちに店を開けてくれるというなんだか町内会感覚の変な店でした。モグリの賭博場とかってこんな感じなのかな。そりゃ記憶に焼き付くよね。
そんな薄暗い、リアル日本の農家的環境の中でそのゲーム、ファンタジーゾーンのパステルカラーの画面は一際異彩を放っておりました。当時はそれほど一般的でなかった多重スクロールに、ラスタースクロールでウネウネっと現れる、オシャレなタイトルロゴ。不思議な形状をしたプレイヤーキャラクター(戦闘機?のくせして足が生えてる!)と、不思議なテイストの背景デザイン、これまた強烈な個性と存在感に溢れるボスキャラクター!そのどれもが素晴らしく、一瞬でオレは虜になってしまいました。
ゲームシステムは8方向レバーと2ボタンショットという、当時で言うと典型的な操作性。左右の任意スクロールで、マップを縦横無尽に移動し、10個ある中継基地を全て倒し、その後に登場するボスを倒すことでステージクリア、という今では結構典型的なスタイル。

しかし、このゲームの革新的な部分はそのパワーアップシステムにあります。というのもこのゲーム、敵を倒す事で出現するコインをゲットすることで貯金し、そのお金でレーザーやツインボムなどの強力なパワーアップウェポンを入手する、というRPGなどでお馴染みのシステムを搭載しているのです!!しかも武器を買う事でゲームを有利に進めることが出来ますが、武器は買う度に値上がりしていくという、ちょっとした経済システムを採用しているため、買い物センスを試されるゲームバランスとなっております。
ボスはどいつもこいつもアクのある個性派揃い。デザインも素晴らしいけど、攻撃の特性もそれぞれ際立っていて、カワイイと思ってナメてかかると痛い目に遭うのは必至ですよ。オレのお気に入りは台風の精?ウィンクロン。ショットを打ち込むとドンドン目が充血してカワイイの。

↑木の精?スタンパロン。大量の木の葉弾を撃ってきます。

↑花の精?ボランダ。空から種が降ってきます。真面目に戦うと意外に強かったりします。

↑太陽の精?コバビーチ。STG史上最速のレーザーを撃ってくる強敵。最初の難敵。

↑カニの精?クラブンガー。触手+弾幕。かなりの強敵。

↑雪の精?ポッポーズ。15体からなる、軍隊系ボス。こいつでミスると復活は困難。

↑台風の精?ウィンクロン。挙動不審っぽい目の動きがカワイイよ。

↑顔面の精?アイダ2。スペハリと関連が?可愛い大顔面。
と、最終面ではこれらのボスとの総当たりメモリアルバトル、いわゆるボスオンパレード!今では手抜きの代名詞のように言われるボスオンパですが、これは意外性もありましたし、何よりカッコ良かったです。仮面ライダーの再生怪人よろしく、倒したハズのボスたちが7人の用心棒って感じで、次々と襲いかかってきます。そして、8人目のボスとして待ち構えているのは意外な…。と、ちょっとしたミステリーもあり、色々とサービス精神旺盛なゲームでしたね。
このように、グラフィックやゲームシステム、演出も素晴らしいのですが、それにも増してBGMも素晴らしい!!付点8部音符を多用した、ハネる感じのノリの良いサンバ風ミュージックが気分を盛り上げてくれます。中でも、ゴリゴリのFMチョッパーベースのリフが印象的なボス曲は、もう名曲中の名曲と言うしかありませんよ。今でも時々聴いてます…と何気にwikiを覗いてみたら、ファンタジーゾーンの導入ストーリーが。
~B.G.1422年、惑星間の公式通貨が乱れ、エリダス第9惑星が大恐慌に見舞われた。そして、宇宙協会(スペースギルド)の調査により、何者かがメノン星人を操って外貨を奪い、「ファンタジーゾーン」に巨大要塞を建造していることが発覚した。早速オパオパは事態の解決のために「ファンタジーゾーン」へと向かった~…って、結構ハードな感じでカッコいいストーリーですね。経済SFシューティングって感じでしょうか。
さて、随分ベタ褒めしましたが、ゲームは少々単調な部分も否めません。ステージごとの攻略性にあまり変化がない点、ボスの攻撃が単純、任意スクロールの判定が画面の端の方にあるため、操作がしにくい、等々。今見ると流石に時代を感じますが、機会があったら是非一度は遊んで頂きたいです。
お薦め度
★★★★
この続編であるファンタジーゾーンⅡ(最近、システム16版が発売しましたね)とか、MDのスーパーファンタジーゾーンもいずれ紹介しようと思います。